出版業界の職種と仕事内容
雑誌や小説、漫画など様々な媒体を世の中に流通させる出版業界には、様々な職種があります。今回は出版業界における職種と、その業務内容についてご紹介します。
ライター
雑誌をはじめとした情報誌に掲載する原稿を書き上げるのがライターです。特別な資格は必要ありませんが、読みやすく関心を抱かれるような文章を書く能力が求められます。時には自ら取材をして、その情報を記事にすることも。その際に簡単な撮影を頼まれる場合もあります。出版社に勤務しているライターは少なく、フリーランスとして働いている場合がほとんどです。
編集者
編集者は雑誌などを作り上げる要を担う仕事です。企画を立ち上げるところから始め、取材や撮影のスケジューリング、ライターやスタイリストなどへ仕事の割り振り、印刷会社に入稿するまでを担当します。月刊誌であれば毎月企画を考えるので、企画力や流行を把握するリサーチ力があると職場で活かすことができるでしょう。
フォトグラファー
フォトグラファーは誌面に載せる写真の撮影を担当します。例えば、グルメ雑誌なら取材先でお店の風景や人を、ファッション雑誌ならスタジオでモデルの撮影を行います。カメラの扱いはもちろん、レフ板や照明機材などを使いこなせる知識も必要です。
校正者
校正とは原稿に誤字脱字や文法の誤りがないかをチェックすることです。ライターや編集者が作成した原稿を試し刷りしたものを隈なく確認し、文脈や情報の正誤まで確実に訂正していきます。与えられた原稿を余すことなく見る必要があるため、集中力や体力の他に、文章から違和感を感じ取って積極的に間違いを見つけ出そうとする姿勢が求められます。
DTPオペレーター
DTPとは「Desk Top Publishing」のことで、コンピューターを使用してレイアウトや版下作成などの一連作業を行うことです。編集者やデザイナーから与えられた情報を的確に印刷用に起こします。印刷の直前でレイアウトが変更になる場合もあるため、デザインの知識も一定量あると望ましいでしょう。DTPに使用するソフトのほとんどがMac OSなので、普段Windowsを使用している場合はMacの操作に慣れる必要があります。
営業
出版業界の営業は大きく「書店営業」と「広告営業」の二種類に分かれます。前者は書店で自社の本を販売してもらえるように交渉することを目的とした営業です。大手の書店から個人経営の書店まで、限られたスペースの中に本を置いてもらう売り上げに直結した仕事であるといえるでしょう。後者はアパレルや飲食店などを対象として、雑誌に広告を掲載してもらうことを目的としています。
以上のように、出版業界では様々な分野のプロフェッショナルが協力して1つの雑誌や小説などを作り上げています。職種が異なっても、「本を通して読者に価値ある情報を伝えたい」という気持ちは共通です。