中小企業で働くことのメリット、デメリット
中小企業と一口に言っても、その実像はさまざまです。中小企業の定義は、業種によって違います。例えば従業員規模でいうと、
[製造業その他] 従業員の数が300人以下
[卸 売 業] 従業員の数が100人以下
[小 売 業] 従業員の数が50人以下
[サービス業] 従業員の数が100人以下
※中小企業庁ホームページより抜粋
以上が中小企業として分類されます(「中小企業基本法」第2条)。つまり同じ社員200名の会社でも、製造業であれば中小企業、卸売業なら大企業と呼ばれることになります。さらに、中小企業の定義には、業種・従業員規模・資本金規模しか規定項目がありません。そのため、業績(売上高)、業界シェア率、社会貢献度等がずば抜けた、知名度の高い優良企業であっても、規定上は中小企業の分類に入っているという会社も数多く存在します。
自発的かつ創造的に行動する人なら、大企業の固定化した組織よりも自由度の高い中小企業の方が、良い結果を出せるかもしれません。自己分析をしっかりして、本当に自分にマッチする企業を選択するようにしましょう。
中小企業のメリット
それでは、中小企業のメリットをいくつか挙げてみましょう。
〇組織の自由度が高い
企業規模が小さい分、組織の自由度が大きいです。状況に合わせて部門の体制を変えることも、中小企業なら比較的容易。変化に対する柔軟性は、大企業にはない中小企業におけるメリットです。
〇個人の力が業績を左右する
従業員規模の小さい中小企業では、個人の力が業績を左右します。1人で複数の業務をこなす必要も出て来ますが、社内稟議を通すのに汲々とすることなく、ダイナミックに動くことが可能です。
〇仕事全体の流れを把握できる
中小企業では、プロジェクトの1から10まで1人の社員が担当する場合も多く、仕事全体の流れを把握する事が可能です。こうした現場を経験することは、マネジメントスキルを高める、絶好のOJT(オンザジョブトレーニング)になります。
〇役職につきやすい
従業員規模が小さい分、管理職や経営参画までの距離が近いのも中小企業の魅力。大企業に比べると、若い年齢で役職につくことが期待できます。
〇やりがいとチャンスがある
中小企業等の場合、商品のヒット等で急速に業績拡大することがあります。自分の力で企業を拡大してゆく、やり甲斐が味わえるのは中小企業の醍醐味。結果を出せば、高額な給与を得ることも可能です。
中小企業のデメリット
もちろん中小企業ならではのデメリットも存在します。
〇経営が不安定になりやすい
中小企業は資本規模が小さいため、経営が不安定になりやすい傾向があります。1つのビジネスの失敗で、急激に経営が悪化することも。新規プロジェクトに、充分な資本を投下することが出来ないデメリットもあります。
〇教育制度や福利厚生が不十分な場合がある
経営に余裕の少ない中小企業は、教育制度、福利厚生、設備等が不十分になりがち。
企業によっては、給与がなかなか上がらないこともあります。
〇労働時間が長くなりやすい
従業員規模が小さい中小企業では、業務が多いとどうしても労働時間は長くなりがちです。人員に欠員が出た場合も、補充が迅速に出来ないと、各人の負担が大きくなり、労働環境が悪化する傾向も見られます。
メリット、デメリットをそれぞれ挙げましたが、転職先を選択する場合、大企業・中小企業というくくりにとらわれ過ぎるのは賢明と言えません。重要なのは「自分がどういう職場で働きたいか」、明確なイメージを持つことです。