ハローワークで失業保険のもらい方
「失業保険(雇用保険)」とは、職を失った人が再就職に至るまでのある一定期間、給付を受け取ることが出来る制度です。
一般的に「失業保険」と言いますが、実は「雇用保険」が公式名称です。昭和50年以前は「失業保険」が正式だったため、今でもそう呼ばれる場合が多く、「失業保険」と「雇用保険」は別ものと考える人も少なくありません。ここでは誤解を防ぐために、「失業保険(雇用保険)」と表記します。
失業保険(雇用保険)の給付がもらえる条件
失業保険(雇用保険)をもらうには、受給条件がいくつかあります。
1、雇用保険適用事業所で働くこと
失業保険(雇用保険)をもらう大前提として、雇用保険に加入しなければなりません。雇用保険に入るには、「雇用保険適用事業所」で働き、会社を通じて保険料を払うことが必要です。勤めた会社が雇用保険に入っているかは、給与明細に雇用保険料の引き落としがあるかどうかで確認することができます。
2、基本的に1年以上、雇用保険に加入していること
雇用保険適用の複数の会社で働いたという場合は、働いた期間の合計が1年以上あれば受給資格になります。また、会社の倒産などやむをえない場合は、期間の条件が6カ月に短縮される制度があります。
3、再就職の意思があること
ハローワークで求職申込みを行い、就職する積極的意思があり、就職できる能力があるにもかかわらず、「失業の状態」にあることが条件です。そのため、次のような場合は失業保険(雇用保険)の給付は受けられません。
・病気やけがのために、就職できない
・妊娠・出産・育児のため、すぐには就職できない
・結婚などにより家事に専念し、働く気がない
・起業するかフリーランスになり、再就職しない
・会社の役員
失業給付の給付内容と期間
給付金額
失業保険(雇用保険)で給付される1日当たりの金額は、退職前半年間の賃金(賞与を除く)を合計して180で割った金額の50~80%(60-64歳は45~80%)です。パーセンテージは、賃金が低い程高い率になります。
そして給付金額には、年齢ごとに上限が決められています。
30歳未満 6,390円
30歳以上45歳未満 7,100円
45歳以上60歳未満 7,805円
60歳以上65歳未満 6,709円 (平26.8.1現在)
給付期間
失業保険(雇用保険)の給付期間は、年齢、雇用保険に入っていた期間、離職理由等を考慮して、90~360日の間で設定されます。「倒産」や本人に非の無い「解雇」による離職(特定受給資格者)や、介護などやむをえない自己都合による離職(特定理由離職者)の場合、一般の離職者よりも手厚い給付になる場合があります。
[特定受給資格者・特定理由離職者]
年齢/被保険者期間 1年未満 5年未満 10年未満 20年未満 20年以上
30歳未満 90日 90日 120日 180日 -
30歳以上35歳未満 90日 90日 180日 210日 240日
35歳以上45歳未満 90日 90日 180日 240日 270日
45歳以上60歳未満 90日 180日 240日 270日 330日
60歳以上64歳未満 90日 150日 180日 210日 240日
[一般の離職者]
年齢/被保険者期間 1年未満 5年未満 10年未満 20年未満 20年以上
全年齢 - 90日 90日 120日 150日
給付金額や、特定受給資格者や特定理由離職者の範囲については、ハローワ-クで確認できます。
失業保険(雇用保険)手続きの流れ
給付を受けるためには、以下のような手続きが必要です。
[離職前に書類の準備] 「雇用保険被保険者証」の確認/「離職証明書」に記名押印
↓
[ハローワークへ申請] 求職の申し込み/「離職票」の提出
↓
[受給説明会を受ける] 「雇用保険受給資格者証」交付/「失業認定申告書」交付
↓
[求職活動] ハローワーク窓口での相談等、求職活動をする
↓
[失業認定] 4週間に1度、失業状態にあることを確認
↓
[受給] 失業保険(雇用保険)給付
※正当な理由のない自己都合退職と自分に重大な非がある退職の場合、支給までに3ヵ月の給付待機期間があります。
申請の際に必要なもの
ハローワークで失業保険(雇用保険)の手続きをする場合には、以下のものが必要です。
〇雇用保険被保険者離職票(離職後、会社から送られて来ます)
〇本人確認、住所及び年齢を確認できる官公署発行物
(運転免許証、写真つき住民基本台帳カード等)
〇写真(たて3cm×よこ2.5cmの正面上半身、3か月以内に撮影したもの)2枚
〇印鑑
〇本人名義の普通預金通帳(ゆうちょ銀行も含む)
離職した企業が雇用保険適用事業所なのに雇用保険に加入していない、離職票を送って来ないといった場合は、ハローワークで相談ができます。